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特別インタビュー企画「財産形成と金融リテラシー」重要性も複雑性も増す人生設計・ライフプランのための金融知識 そんな中、一見地味でシンプルな財形制度が、実は時代を超えた優れもの

  • 1.元祖・日本の金融教育、「知るぽると」
  • 2.リスクとリターンの関係を知る
  • 3.ライフプランによって人生を見通すことの意義

ライフプランによって人生を見通すことの意義

—— まずは財形貯蓄などを利用して財産形成を始めることが大事、ということですが、その次のステージはどんなものでしょうか?

お金を賢く貯めて賢く使うには、ライフプラン(人生の計画)を立てることが何よりも大切です。人生には、就職、結婚、出産、教育、マイホーム取得といった大きなイベントがありますが、そうしたイベントにいつごろ、どのくらいのお金が必要なのかを認識することは、効率的な財産形成のための商品選択だけでなく、働き方やお金の使い方を見直す上でも、とても有意義なことです。

働き方を考えるということで言えば、大学を卒業してから非正規社員として働くことで、ワーキングプアに陥る若者たちの問題もあります。思い通りの就職ができず、やむを得ず非正規になってしまった学生ばかりではなく、最初からフリーターでも目の前の生活が成立すれば問題ないと考えて、非正規という働き方を選択する若者もいるようです。しかし、正規社員と非正規社員の賃金を比較すると、年収で約300万円、生涯賃金では倍近い差が生じるというデータがあります。これを学生に見せると、みな愕然とする訳です。

望み通りの人生を送るためにはある程度のお金が必要で、それを確保するためには働いて稼ぐこと、将来に備えて蓄えること、合理的に殖やすことが必要なのだということを、若いうちから教えていくことが大切なのです。

老後の安心を支える財形貯蓄と退職金

—— より自立的で安心かつ豊かな生活の実現のためには、まずは天引き貯蓄のような簡単な商品の利用から始めてみること、ライフプランを立てて、一生のうちでお金をどのように準備しどう使うか計画することが重要、ということが分かりました。そうしたなかで、老後の生活の安定・安心を確保するために、今から始められることはありますでしょうか?

そうですね。先ほどの働き方の話にも関係するのですが、まず、職場が提供している福利厚生の仕組みをきちんと調べて賢く利用することが大切だと思います。天引き貯蓄の典型である「財形貯蓄制度」や人生の3大費用の一つでもある住宅資金の準備を支援する仕組みが職場にあれば、これを上手に使うことで、ライフプランに大きな違いが出てくると思います。また、老後資金を考える際には、退職金があるかどうかも非常に大きな要素だと思います。

私は以前、勤労者退職金共済事業の資産運用評価委員を務めておりましたので知っているのですが、勤労者退職金共済機構では、「財形貯蓄制度」のほかに「財形持家転貸融資制度」や「退職金共済制度」も提供されていましたよね。

—— はい。財形制度には、財形貯蓄のほかに住宅購入資金やリフォーム資金を長期・低利で融資する「財形持家転貸融資制度」があります。また、勤労者退職金共済機構では、事業のもう一つの大きな柱として、退職金共済制度も提供しています。

ヨーロッパでは、若い人が職場を選ぶ際に「退職金」や「年金」について、非常に詳しく質問するなど、資産形成のための福利厚生の充実度合いが職場選びの重要な要素になっていると聞いたことがあります。今後、日本でも若い人が職場を選ぶ際には、こうした福利厚生の充実が、今まで以上に重視されることとなっていくかもしれませんね。

—— なるほど、こうした公的な支援の利用は、従業員個人にとってのみならず、会社にとっても、よい人材の確保や社員の士気の維持・向上に有用であるという訳ですね。
本日は、有難うございました。

 
吉國 眞一(よしくに しんいち)
金融広報中央委員会会長
金融リテラシーがもたらす若者たちの意識改革

1948年生まれ。一橋大学を卒業後、1973年に日本銀行に入行。国際通貨基金に出向後、国際局次長、ロンドン駐在参事を歴任。2001年に国際決済銀行に入行し、同行アジア太平洋総代表を経て、新光証券シニア・アドバイザー、みずほ証券リサーチ&コンサルティング理事長を務め、2015年7月、現職に就任。日本各地で開催されるセミナーや講演会を通して、国民の金融リテラシーの振興に注力している。

 
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