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  • 財産形成と金融リテラシー:リスクとリターンの関係を知る

特別インタビュー企画「財産形成と金融リテラシー」重要性も複雑性も増す人生設計・ライフプランのための金融知識 そんな中、一見地味でシンプルな財形制度が、実は時代を超えた優れもの

  • 1.元祖・日本の金融教育、「知るぽると」
  • 2.リスクとリターンの関係を知る
  • 3.ライフプランによって人生を見通すことの意義

リスクとリターンの関係を知る

—— 金融に関する知識や、運用を考える時間的余裕が無い中でも財形貯蓄などを利用すれば財産形成を始められるということでしたが、財産形成について、入門編から次のステップに進むときに注意すべきことは何でしょうか。

まず認識して頂きたいのは、投資は生活費を補うものではないということです。投資は、日々の生活に必要なお金を確保したうえで、余裕のある範囲で少しずつ始めてみるということが大事です。そのとき忘れてはならないのが、リスク(不確実性)とリターン(儲け)の関係ですね。投資の世界では、ハイリスク・ハイリターンと言い、大きな儲け話には大きな不確実性が付き物、ということが常識になっています。投資においては、高いリターンにはハイリスクがつきものであることを十分に理解する必要があります。安全でうまい話はありません。

もう一つ大事なことは、知識の蓄積です。投資を合理的に行うには、投資対象となる資産の動きについての理屈を知る必要があります。経済は世の中の動きと連動していますから、日本国内にとどまらず、世界の経済や政治にも興味関心の幅を広げることが重要です。知識の幅が広がれば判断力も高まり、投資の幅を広げることができるようになります。
金融の国際化や自由化の結果、貯蓄にしろ投資にしろ、選択肢が急激に広がりました。何を選んだらいいかお困りの方も多いことでしょう。年齢やライフスタイルに合った選択をするためにも、それぞれの金融商品についての正しい知識と情報を自分で収集し、自分の頭で判断する力が求められるのです。こうした金融に関する知識や判断力を「金融リテラシー」といいます。私たちが推進する金融教育は、まさにこの金融リテラシーを養うことなのです。

金融商品によるリスクとリターンの関係

金融商品によるリスクとリターンの関係図

金融商品におけるリスクとリターンの関係を整理すると、このようなイメージになります。リスクとリターンは比例し、高いリターンを得ようとするとリスクも高まり(ハイリスク・ハイリターン)、リスクを低く抑えようとするとリターンも低下します(ローリスク・ローリターン)。しかし、リスクを高めれば必ずリターンが高まる訳ではなく、リスクが高いのにリターンが低い商品は存在します。一方、リスクが低いのに高いリターンが望める金融商品は存在しないということも理解する必要があります。「高利回りをお約束」などという話があれば、眉に唾を付けるべきです。

金融リテラシーとは「生きる力」

—— 財産形成には金融リテラシーが欠かせないということですね。国民の金融リテラシーを高めるために、知るぽると・金融広報中央委員会が展開されている金融教育活動について教えて下さい。

金融広報中央委員会では、子供から高齢者まで、年齢層毎に必要な金融リテラシーがあると考えています。逆に言えば、金融リテラシーは生涯を通じて高めていくものということです。そうした考えの下、当委員会は、小・中・高の児童・生徒に、大学生や社会人、高齢者も加えた各年齢層毎に必要な金融リテラシーを網羅した『金融リテラシー・マップ』を提供して金融教育を支援しています。

学校の先生方の中には、金融リテラシーの意味を正しく理解されずに「子どもにお金儲けの話をするなんて」とおっしゃる方が時折いらっしゃいます。しかし、金融リテラシーとは、自立した豊かな人生を生きるために身に付けておくべきお金の知識や判断力のことで、お金儲けの方法ではありません。かの福沢諭吉も、「金銭は独立の基本なり、これを卑しむべからず」と言っています。

「リテラシー」は「識字」と訳されますが、字を知るということは、単に読み書きができるということではありません。その内容をよく理解し、判断する力を養うことで、「生きる力」「自立する力」を身に付けることです。このように、金融リテラシーに対する誤った理解を正し、本来の金融教育を普及していくことが、当委員会の重要な役割です。

そういう意味では、教える側のリテラシーも大切です。金融の世界は変化が激しいですから、最近では「Fin Tec(フィンテック)」といってスマホ決済やビットコインのような新しい金融手法が登場して、教師より子どもたちのほうがよく知っているという “リテラシーの逆転” もみられます。子どもたちの金融教育にあたる教師のリテラシーを高めるため、私たちは学校の先生向けのセミナーや研修会を開くこともしています。

ライフプランによって人生を見通すことの意義
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